ハタは単一の魚というより、魚の一族です。ハタ科(Epinephelidae)には100種をはるかに超える魚が含まれ、一皿サイズの岩礁魚から、2.5mを超えることもあるタマカイ(ジャイアントグルーパー)までさまざまです。アジアのパッカーが提供する冷凍ハタの大半を占めるのは、アジアに分布するEpinephelus属のわずかな種で、その多くは養殖魚です。当社が供給する魚種、サイズ、形態は、冷凍ハタのページでご紹介しています。
このプロファイルでは、ハタの生態、バイヤーが最もよく目にする種とその見分け方、活魚取引の用語を担う中国語名、養殖魚の産地、そして科全体を1つの名称で販売することから生じる表示と法律上の注意点を取り上げます。
要点
- ハタは100種をはるかに超える魚を含み、アジアの冷凍ハタの大部分は、養殖されたチャイロマルハタ、アカマダラハタ、タマカイ、または交雑種のEpinephelus属です。
- ハタ類は通常雌として成熟し、一部がのちに雄になるという、バラマンディとは逆の性転換をします。成長の遅さと産卵集群のために、天然資源は乱獲に弱くなっています。
- 青斑、老虎斑、龍躉、東星斑といった中国語の取引名は、英語名では曖昧になる種を区別します。また「tiger grouper」はアジアと米国で別の魚を指します。
- 学名で発注し、可能な限りフィレは皮付きのままとし、漁獲書類、残留検査、シガテラのリスクを該当する範囲で確認してください。
ハタとはどんな魚で、どう生活しているか
ハタ類は、暖かい沿岸の岩礁、岩場、河口にすむ、体が重厚で口の大きな捕食者です。多くは洞穴、岩棚、サンゴの塊の近くで待ち伏せし、獲物を丸のみにします。FishBaseには、タマカイ(Epinephelus lanceolatus)がイセエビ類、小型のサメやエイ、さらにはウミガメの幼体まで食べた記録があります。古い文献ではハタ類を、英語でシーバスの仲間とされるSerranidae(広義のハタ科)に含めていますが、FishBaseなど現在の目録では独立した科として扱っています。
ハタ類の多くは雌性先熟の雌雄同体で、雌として成熟し、その一部がのちに雄へ性転換します。チャイロマルハタについて、FishBaseは初回成熟を体長約25~30cm、性転換を55~75cmと記録しています。バラマンディはその逆で、詳しくはバラマンディの魚種ガイドで解説しています。多くのハタは成長が遅く、寿命が長く、決まった場所に集まって産卵するため、天然資源は乱獲されやすく、FishBaseはタマカイの漁獲に対する脆弱性を「非常に高い」と評価しています。
こうした生態は、香港と中国南部で活魚として販売されるハタのかなりの部分と、アジアのパッカーが扱う冷凍ハタの大部分が、今では養殖によって供給されている理由の説明にもなります。この地域のふ化場は複数の種の稚魚を生産し、養殖業者はそれを海上の浮きいけすや沿岸の池で育てています。
バイヤーが最もよく目にするハタの種類
| 種 | 中国語の取引名 | 見分け方 | 取引上の位置づけ |
|---|---|---|---|
| チャイロマルハタ(オレンジスポッテッドグルーパー)、Epinephelus coioides | 青斑 | 背は黄褐色で腹側は白っぽく、小さな橙褐色の斑点に覆われ、薄い暗色の横帯と鞍状斑がある | 広く養殖。一皿サイズの丸魚 |
| アカマダラハタ(ブラウンマーブルドグルーパー、タイガーグルーパー)、E. fuscoguttatus | 老虎斑 | 淡い黄褐色に不規則な暗色の斑紋が列をなし、細かな褐色の斑点と、尾の付け根に小さな黒い鞍状斑がある | 養殖と天然。交雑種の母系の種 |
| タマカイ(ジャイアントグルーパー)、E. lanceolatus | 龍躉 | 幼魚は黄色に黒い斑紋、成魚は暗褐色でひれに小さな黒い斑点がある | フィレや鍋物用の薄切り向けに大型まで養殖 |
| 交雑種(ハイブリッドグルーパー)、E. fuscoguttatus × E. lanceolatus | 市場によって名称が異なる | タイガー系の親に似た大理石模様で、体はより重厚で成長が速い | 最も一般的な養殖ハタの一つ。サバグルーパーまたはパールグルーパー |
| スジアラ(コーラルトラウト、レパードコーラルグルーパー)、Plectropomus leopardus | 東星斑 | 赤から橙褐色で、小さな青い斑点に覆われる | 活魚の岩礁魚取引の主要種 |
| サラサハタ(ハンプバックグルーパー)、Chromileptes altivelis | 老鼠斑 | 淡い体色に間隔の広い丸い黒斑があり、頭が小さく背が盛り上がっている | 香港で活魚として販売。幼魚は観賞魚取引にも |
皮の模様は主な識別点ですが、年齢によって変わります。チャイロマルハタの斑点は成長とともに濃くなったり薄れたりし、タマカイの成魚は黄色と黒の幼魚とはまったく似ていません。FishBaseはまた、チャイロマルハタがE. tauvinaやE. malabaricusと誤同定されることが多く、アカマダラハタがE. polyphekadionと混同されることが多いとも記しています。サラサハタの属名は、現在の学術目録ではChromileptesと綴られますが、Cromileptesも今なお広く使われています。
香港、東南アジア、米国でのハタの名称
香港と中国南部が活魚取引の主な中心地であるため、ハタの用語は中国語名が主流です。石斑はハタを指す一般的な語で、個々の種には上の表に示したそれぞれの名称があります。マレーシアとインドネシアではハタはkerapu(クラプ)、フィリピンではlapu-lapu(ラプラプ)、ベトナムではcá mú(カームー)と呼ばれます。
英語の名称はそれほど一貫していません。「tiger grouper」はアジアの取引ではE. fuscoguttatusを意味しますが、米国FDAのシーフードリストでは大西洋の種であるMycteroperca tigrisの一般名で、E. fuscoguttatusはそこでは「mottled grouper」として掲載されています。サラサハタは「barramundi cod」(バラマンディコッド)とも呼ばれますが、バラマンディとは何の関係もありません。米国FDAのリストでは、Epinephelus属、Mycteroperca属、Plectropomus属のほぼすべての種について「grouper」が認められる市場名で、「gag」のような別名が認められている種もあり、交雑種は「hybrid tiger or giant grouper」としても販売できるため、詳細は学名で伝える必要があります。
ハタの産地
養殖ハタは主にインドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、タイ、台湾、中国南部から供給され、その多くは香港と中国本土の活魚市場に向けられます。チャイロマルハタは最も広く養殖されている種の一つで、タマカイとアカマダラハタ×タマカイの交雑種は、短期間で大型に育つことから重要性を増しています。養殖魚は年間を通じて水揚げされ、需要は旧正月の前後と、中華系コミュニティの宴会シーズンにピークを迎えます。
天然のハタは、熱帯各地で釣り、かご、銛によって漁獲されます。米国では国産のハタは、メキシコ湾と南大西洋でとれるレッドグルーパー(E. morio)やギャグ(Mycteroperca microlepis)などの大西洋の種で、漁獲割当、サイズ制限、季節的な禁漁によって管理された漁業で水揚げされます。東南アジアの活きた岩礁魚は主に香港を経由して流通し、その一部はさらに中国本土へ送られます。
厨房での活魚・生鮮・冷凍のハタ
ハタで最も高く評価される形態は、レストランの水槽で泳ぐ活魚です。香港と中国南部では、客が選んだ魚を注文に応じて締めて蒸し、スジアラ、サラサハタ、タマカイは特に珍重される選択肢です。冷凍ハタは、活魚取引が届かない厨房や市場をまかないます。蒸し物用に1尾ずつ凍結した丸魚、皮付きフィレ、ステーキ、鍋物用の薄切りなどです。中国料理の料理人は、蒸すとゼラチン質になる厚い皮を重んじるため、フィレは通常皮付きのままです。
- 広東式のハタの丸蒸し:熱した油、しょうゆ、しょうが、ねぎで仕上げます。一皿サイズのチャイロマルハタや交雑種が一般的です。
- 鍋物と粥:大型のタマカイや交雑種から取った薄切りを使います。
- 米国南部:グリル、ブラックンド、フライにしたフィレと、フロリダ名物のグルーパーサンドイッチ。
- 東南アジア:丸魚を揚げて甘酢あんやチリソースをかけ、フィレはカレーやスープに使います。
ハタの身は締まった白身で脂肪が少なく、クセのないまろやかな風味で、大きなフレークは蒸し物、揚げ物、煮込みでも崩れません。同じような一皿サイズの魚を別のコストで求めるバイヤーは、冷凍レッドスナッパーや冷凍バラマンディと比較することがよくあります。レッドスナッパーの名称の問題は、レッドスナッパーの魚種ガイドで解説しています。中国料理の宴会メニューでは、ハタは冷凍アワビと並んで登場することもあります。
ハタの表示、代用、法律上の注意点
1つの市場名が非常に多くの種を包含しているため、ハタは代用の標的になりやすく、特に種を識別する模様が失われる皮なしフィレではその傾向が強まります。模様が見えたまま残る皮付きにしておくのが最も簡単な予防策で、皮なしの製品については、新規パッカーの最初の数ロットをDNA検査で確認してください。
- 漁獲書類:EU向けの天然ハタには違法漁業に対するEUの規則に基づく漁獲証明書が必要です。また、ハタは米国の水産物輸入監視プログラム(SIMP)の対象魚種グループの一つであるため、米国の輸入業者は自社のロットにどのような報告が適用されるかを確認する必要があります。
- 残留物:養殖ハタは、ほとんどの輸入市場で、動物用医薬品と禁止物質について水際検査の対象となります。
- 保全状況:IUCNレッドリストで絶滅危惧と評価されているハタ類はいくつかあり、アカマダラハタも2016年の評価で危急種(Vulnerable)とされました。天然の岩礁魚の種を取引する前に、ワシントン条約(CITES)と各国における現在の位置づけを確認してください。
- シガテラ:一部の岩礁域でとれる大型の天然ハタはシガトキシンを保有していることがあり、加熱しても分解されません。FishBaseはタマカイとアカマダラハタについてこのリスクを指摘しているため、天然ロットでは漁獲海域が重要になります。
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本ガイドは一般的な貿易情報であり、法律上・規制上の助言ではありません。要件は市場によって異なり、変更されることがあります。ご発注前に、通関業者または所管当局に最新の規則をご確認ください。



