冷凍エビは厳格な規格のもとで大量に取引されており、バイヤーとパッカーの間の紛争の多くは、カートンに記された3つの数字、すなわち尾数、グレーズ、正味重量に行き着きます。16/20と表示されたカートンでも、尾数が1ポンドあたりか1kgあたりかによって中身のエビはまったく異なり、総重量で値付けされたオファーでは、保護用の氷を除くと受け取るエビは少なくなります。どちらも必ずしも不誠実によるものではありませんが、規格で明確にしていなければ、いずれも損失につながります。
本ガイドでは、魚種と加工形態、尾数の表記、グレーズと正味重量、IQFとブロック凍結、欠陥と処理の申告を取り上げたうえで、規格書の項目と着荷時の確認手順を示します。BSAは大型エビを在庫からではなく書面のご依頼仕様に基づいて調達していますが、同じ枠組みはどのサプライヤーのオファーにも当てはまります。
要点
- すべての尾数に単位と加工形態を併記します。1ポンドあたり16/20と1kgあたり16/20は、まったく異なるエビです。
- オファーはグレーズ除去後の正味重量で価格を比較し、グレーズ比率の計算方法を確認します。
- 小分けにはIQF、加工にはブロック凍結を使い、それぞれの形態に合った方法で正味重量を検証します。
- 欠陥の許容限度と、使用したすべての処理の申告(不使用の申告を含む)を書面で合意します。
- すべてのロットを、同じグレーズ除去、尾数の計数、加熱の手順で検品し、ロットコードごとに記録します。
魚種、原産地、生産方法
prawn、タイガー、キングシュリンプといった呼称は市場によって意味が異なるため、すべてのオファーに学名と生産方法を記載すべきです。大型サイズの取引の多くは、次の3種が占めています。
- バナメイエビ(ホワイトレッグシュリンプ、Penaeus vannamei。Litopenaeus vannameiと表記されることも多い):最も広く養殖されている種で、中南米とアジアの各地で養殖され、ほぼすべての加工形態とサイズで、比較的安定して供給されています。
- ブラックタイガー(Penaeus monodon):主に南アジアと東南アジアで養殖され、一部は天然の漁獲です。非常に大きく育ち、縞模様の殻は有頭や殻付きでの盛り付けに向いています。
- アルゼンチン赤エビ(Pleoticus muelleri):南西大西洋で漁獲される天然エビで、生でも赤く、多くは船上で凍結されます。大半の養殖エビより早く火が通るため、そのことを厨房に伝えておく必要があります。
天然エビについては、漁獲海域、船上凍結か陸上凍結か、仕向地が求める漁獲関連書類を確認してください。養殖エビについては、養殖地域、収穫時の取り扱い、仕向地の基準値に照らした動物用医薬品の残留検査を確認してください。
加工形態:HOSOから伸ばしエビまで
加工形態によって尾数、歩留まり、価格が変わるため、サイズの横に形態が記載されていなければ、オファーは不完全です。
- HOSO(有頭殻付き):丸ごとのエビで、グリルや姿盛りに使われます。頭部は重く、通常は最初に黒ずむため、有頭のロットには素早い凍結が必要です。
- HLSO(無頭殻付き):二次加工や殻付き料理の伝統的な原料です。
- PUD(殻むき背ワタ付き):背ワタを残したもので、フィリングや刻んで使う料理向けの低価格な形態です。
- PD(殻むき背ワタ除去):通常は背に切れ目を入れて背ワタを除いたものです。PDTOは尾扇と最後の殻の一節を残したもので、カクテルや揚げ物に使われます。
- 伸ばしエビ:殻をむいて背ワタを除いた尾付きのエビに切り込みを入れて押し伸ばし、揚げても長くまっすぐな形を保つようにしたもので、天ぷら用に入り数を決めてトレーに詰められます。
- ボイル済み:上記のいずれかを加熱してから凍結したもの。多くの市場ではボイル済みのエビをそのまま食べられる食品として扱い、微生物基準もより厳しくなります。また、尾数が加熱前と加熱後のどちらに適用されるかを規格書に明記しなければなりません。
尾数:数字の読み方
エビの尾数は単位重量あたりの尾数を示すため、数字が小さいほどエビは大きくなります。16/20は単位あたり16~20尾、U/10(またはU10)は10尾未満を意味します。北米の取引では通常、無頭やむき身のエビを1ポンドあたりで数えますが、有頭のエビや、欧州・アジアの取引の多くでは1kgあたりの尾数を使います。
単位が変われば製品も変わります。1ポンドあたり16/20の尾数は1尾約23~28gですが、1kgあたり16/20は約50~63gで、2倍以上の大きさです。1ポンドは約0.4536kgなので、1ポンドあたり16/20は1kgあたり約35~44尾に相当します。リスクは計算ではなく略記にあるため、オファー、契約書、カートン、インボイスのすべての尾数の横に単位を記載しなければなりません。
尾数は加工形態にも左右されます。頭と殻を除くと1尾ごとの重量が減るため、有頭とむき身の尾数は比較できません。アルゼンチン赤エビの有頭品に使われるアルファベットの等級も、1kgあたりの尾数に置き換えて確認すべきです。また、尾数の範囲は平均値であり、カートンは大小のエビを混ぜることでも範囲を満たせてしまいます。サイズのそろいが必要なバイヤーは、サンプル中の最大と最小のエビの重量差の上限など、均一性の要件を追加します。
グレーズ、正味重量、総重量
グレーズ(氷衣)とは、凍結したエビを冷水に浸すか冷水を吹き付けて施す、薄い氷の膜のことです。表面を空気から遮断し、冷凍保管中の乾燥と酸化を遅らせるため、適切なグレーズはごまかしではなく良好な慣行です。問題になるのは、水がエビの価格で売られる場合です。
総重量(グレーズ込みの重量)はエビと氷を合わせた重量で、正味重量はグレーズを除いたエビだけの重量です。多くの市場では表示上の正味重量からグレーズを除くことが求められていますが、インボイスや価格表が必ずしもそれに従っているとは限りません。また、グレーズ比率の計算方法もパッカーによって異なり、グレーズ込みの重量に対する割合で示すところもあれば、正味重量に対する割合で示すところもあります。どちらの基準かを確認し、正味の製品1kgあたりで購入し、カートンの正味重量がインボイスと一致していることを確かめてください。過剰なグレーズは重量をめぐる紛争のよくある原因であり、その対策が、後述する着荷時のグレーズ除去による確認です。
IQFかブロック凍結か
IQF(個別急速冷凍)のエビは1尾ずつ凍結され、グレーズを施してばらの状態で袋に詰められます。厨房では必要な分だけ取り出せますが、ばらのエビはグレーズに保護を頼っているため、袋を開けたままにしたり、コールドチェーンの温度が揺らいだりすると、すぐに品質が落ちます。エビがくっついて塊になっている場合は、コールドチェーンのどこかで部分的な解凍と再凍結があった可能性があります。
ブロック凍結のエビは、水を満たしたカートンの中で凍結されます。氷が長期保管中もエビをしっかり守り、ブロック全体を一度に使う加工業者や再包装業者に適した形態です。申告された正味重量はエビそのものを指すため、確認するにはブロックを完全に解凍し、水を切って残ったエビを計量する必要があります。
品質上の欠陥と処理の申告
エビをそのサイズに見合った価格で販売できるかどうかは、状態によって決まります。発注前に、欠陥ごとの許容限度を、サンプル中の尾数または重量に占める割合として書面で合意してください。
- 黒変(メラノーシス):漁獲・収穫後まもなく始まる自然な酵素反応によって、頭部、殻の関節、尾が黒ずむもの。それ自体は安全上の危害ではありませんが、殻付き製品では価値を大きく下げます。
- 折れ・欠け:殻むきの際に節が欠けたり割れたりしたエビで、別の安価な等級に分けるべきものです。
- ソフトシェル:脱皮して間もないエビの、紙のように薄い殻。むきにくく、傷みやすくなります。
- 乾燥と冷凍焼け:グレーズが失われたり温度が変動したりして水分が抜けた結果生じる、乾いたチョークのような白い斑点。加熱しても元に戻りません。
- その他:有頭品での頭の外れ、むき身に残った殻や背ワタ、変色、異物、解凍後の異臭やアンモニア臭。
処理は、開示されていれば正当なものです。亜硫酸塩は、特に天然エビで古くから使われてきた黒変防止策で、多くの市場では残存量が一定の水準を超えると表示が義務付けられています。4-ヘキシルレゾルシノールは代替剤ですが、承認の有無と使用条件は市場によって異なります。リン酸塩などの保水剤は、むき身のエビが水分を保つのに役立ちます。規則は条件付きの使用から制限までさまざまで、余分な水分にもエビの価格が支払われることになるため、使用した場合は必ず開示されるべきです。ロットごとに、何も使用していない場合の不使用の申告も含めて書面での申告を求め、現行の規則を仕向地の食品当局または通関業者に確認してください。アカザエビ(ラングスティーヌ)などの甲殻類にも同様の処理が施されることが多いため、1つの申告様式を冷凍品の品ぞろえ全体に使えます。
規格書:必ず求めるべき項目
完全な規格書があれば、上記のすべての点を確認できるようになります。契約確定前にこれらの項目を埋められないサプライヤーは、それ自体が一つの判断材料になります。
| 項目 | 記載すべき内容 | 重要な理由 |
|---|---|---|
| 魚種と生産 | 学名、天然か養殖か、国と漁獲海域または養殖地域 | 輸入資格、書類、価格は魚種と原産地で決まる |
| 加工形態 | HOSO、HLSO、PUD、PD、PDTO、伸ばしエビのいずれか。生かボイル済みか | 尾数、歩留まり、衛生面の要求はこれによって変わる |
| 尾数 | 単位を付けた範囲、正味重量基準。必要に応じて均一性 | 単位が違えば、同じ数字でも別のエビを意味する |
| 凍結 | IQFかブロックか。船上凍結か陸上凍結か | 取り扱い方法と正味重量の確認方法が決まる |
| グレーズ | 比率とその計算基準 | 総重量のうちどれだけが氷かがわかる |
| 正味重量 | 内袋とマスターカートンごと、グレーズを除く | 代金を支払い、検証する数量 |
| 処理 | 使用した各薬剤、または不使用の申告 | 表示と市場アクセスがこれに左右される |
| 欠陥の許容限度 | 黒変、折れ、ソフトシェル、乾燥の上限 | 検品のための書面の基準 |
| 包装と表示 | 内装とマスターカートンの形態、表示内容、ロットコード | トレーサビリティとクレームの根拠 |
| 保管と書類 | 温度、賞味期限、証明書、検査報告書 | 通関遅延を減らせる |
BSAの大型サイズのように、ご依頼仕様に基づいて調達するエビの場合は、この規格書がそのままご依頼仕様になります。お見積もりのご依頼とあわせてお送りいただければ、検品の基準となる条件でオファーをお返しします。
着荷時の貨物の確認
確認方法を契約で取り決め、すべてのロットに同じ方法で適用し、複数のパレットからカートンを抜き取って、結果をロットコードごとに記録してください。
- コンテナの温度記録またはロガーを確認し、積み荷の複数の位置で中心温度を測定する。
- カートンのつぶれや湿り、袋内の厚い霜やIQFのエビ同士の固着を確認する。
- 表示をインボイスとパッキングリストと照合する:魚種、加工形態、尾数と単位、正味重量、グレーズ、ロットコード。
- 凍結状態のサンプルを計量し、ざるに入れて冷水を穏やかに吹きかけ、表面がつるつるではなくざらざらした手触りになるまで、エビを解凍しないようにすすぐ。その後、決まった時間だけ水を切り、再度計量する。
- グレーズを除いたエビの尾数を数える。尾数を正味重量(kg)で割ると1kgあたりの尾数となり、それを2.2046で割ると1ポンドあたりの尾数となる。
- ブロック凍結品は、ブロック全体を解凍して水を切り、エビを計量して尾数を数える。
- 黒変、折れ、ソフトシェル、乾燥、殻や背ワタの残り、においを評価する。
- 数尾を標準の方法で加熱し、食感、風味、色、縮みを記録する。
- ロットコードが見える状態で所見を撮影し、契約で定めたクレーム期間内にサプライヤーに通知する。
結果が限度に近い場合は、結論を出す前にさらに多くのカートンを検査してください。同じグレーズ除去の手順は、当社のタラバガニとズワイガニのガイドでご説明しているとおり、カニなどグレーズを施した他の甲殻類・貝類にも使えます。また、輸出品質保証のページでは、貨物が原産地を出る前に行う確認についてご説明しています。
本ガイドは一般的な貿易情報であり、法律上・規制上の助言ではありません。要件は市場によって異なり、変更されることがあります。ご発注前に、通関業者または所管当局に最新の規則をご確認ください。





