バナメイエビ(ホワイトレッグシュリンプ)は、カートンの表記がvannamei、パシフィックホワイトシュリンプ、キングプローン、あるいは単にホワイトシュリンプのいずれであっても、多くのバイヤーが毎週のように扱う養殖エビです。その正体は南北アメリカの太平洋岸に生息する暖水性のクルマエビ科のエビ、Penaeus vannameiで、現在では最も広く養殖されているエビの種として、エクアドルとメキシコからインド、ベトナム、インドネシア、タイ、中国に至るまで、各地の養殖池で育てられています。
本プロフィールでは、生き物そのものを取り上げます。呼び名とLitopenaeusの問題、本来の分布域と生態、養殖場での育て方、ほかのホワイト系のエビやブラックタイガーとの比較、そして厨房での使い方です。BSAは養殖のバナメイエビを標準的なカットと尾数で供給し、最大級の等級は大型エビの枠組みで調達しています。また、ソースやだし向けに、暖水域と温帯域の複数の種から作った干しエビもご提供しています。
要点
- ホワイトレッグシュリンプ、パシフィックホワイトシュリンプ、バナメイはすべて同じ種Penaeus vannameiを指します。1997年から使われた属名によるLitopenaeus vannameiという表記も、今なお多くのラベルに印刷されています。
- メキシコとペルーの間の東太平洋が原産で、現在は家畜化された疾病検査済みの親エビから、中南米とアジアの各地で養殖されています。
- 淡い色で味が穏やかな中型のエビであるため、ほぼすべての料理文化で、むき身、ボイル、衣付き製品の使い勝手のよい原料となっています。
- 単なる「ホワイトシュリンプ」や「淡水エビ」という表記はどちらも誤解を招くおそれがあるため、オファーごとに学名と生産方法を確認してください。
バナメイエビの呼び名と、ラベルに今もLitopenaeusとある理由
この種は1931年、パナマ湾周辺で採集された標本をもとに、リー・ブーン(Lee Boone)によってPenaeus vannameiとして記載されました。イサベル・ペレス・ファルファンテ(Isabel Pérez Farfante)は1969年にLitopenaeusをPenaeus属の亜属として設け、1997年にはケンズリー(Kensley)とともにこれを独立した属に格上げしました。それ以降、Litopenaeus vannameiという学名が種苗生産の手引き、貿易統計、カートンのラベルに広く使われるようになりました。
その後の分類の見直しでこれらのグループは再びPenaeus属にまとめられ、世界海洋生物種名録(WoRMS)は現在このエビをPenaeus(Litopenaeus)vannameiとして掲載しています。どちらの学名も同じ生き物を指し、書類にはいずれが記載されていても構いません。重要なのは、1つの出荷についてオファーからラベルまで1つの表記を一貫して使うことです。
| 呼び名 | 言語・市場 | 注記 |
|---|---|---|
| Whiteleg shrimp(ホワイトレッグシュリンプ) | FAOの英語名 | 淡い色の脚に由来 |
| Pacific white shrimp(パシフィックホワイトシュリンプ) | 米国 | 米国の取引とメニューで一般的な名称 |
| Vannamei(バナメイ) | 国際取引 | 学名から取った略称 |
| Camarón blanco(カマロン・ブランコ) | メキシコ | 他のホワイト系のエビにも使われるため、種の確認が必要 |
| Camarón patiblanco(カマロン・パティブランコ) | スペイン語(FAOの名称) | FAOのスペイン語名で、パナマでも使われる |
| Langostino(ランゴスティーノ) | ペルー | スペイン語で大型のエビ全般を指す語 |
| Crevette pattes blanches(クルヴェット・パット・ブランシュ) | フランス語(FAOの名称) | 文字どおりには「白い脚のエビ」 |
| Mazzancolla tropicale(マッツァンコッラ・トロピカーレ) | イタリア | イタリアの公式の取引名 |
| 南美白對蝦 | 中国 | 文字どおりには「南米の白いエビ」 |
| King prawn(キングプローン) | 英語圏の一部の小売 | 他の大型種にも使われるあいまいな語 |
バナメイエビの原産地:分布と生態
天然のバナメイエビは、メキシコのソノラ州からペルー北部のトゥンベスまで、南北アメリカの太平洋岸に沿って、通常は年間を通じて20°Cを上回る水域に生息しています。成体は沖合で暮らして産卵し、水深70m前後まで分布します。幼生は沿岸へ流され、稚エビは河口、潟湖、マングローブの水路で成長してから再び海へと戻ります。
この生活史は、この種が養殖しやすい理由の説明にもなっています。幅広い塩分濃度に耐えるため、沿岸の池でも内陸の低塩分の池でも養殖できます。池の天然餌料を効率よく利用し、飼料に必要なタンパク質もブラックタイガーより少なくて済むため、飼料コストが抑えられます。雌は雄より速く大きく成長し、最大でも体長約23cmにとどまるため、本来は中型のエビです。
- 色:生の状態では半透明の白から灰色で、池の底質、飼料、水の透明度によって色合いが変わります。加熱すると外側はピンクからオレンジがかった赤に、中は白になります。
- 殻:なめらかで比較的薄く、タイガー系のエビのようなはっきりした黒っぽい縞はありません。
- 額角:中程度の長さで、上縁に7~10本、下縁に2~4本の歯があり、専門家が似たホワイト系のエビと見分けるのに使う特徴です。
- 脚:淡くほとんど白色で、英語名とフランス語名の由来となった特徴です。
バナメイエビの養殖方法
種苗生産による養殖の歴史は1973年にさかのぼります。この年、パナマ沖で捕獲された交尾済みの天然の雌から得た幼生がフロリダへ送られ、飼育下での初めての産卵につながりました。1976年にはパナマでの研究により、雌の眼柄を片方切除し、十分な栄養を与えると成熟が促されることが示され、中南米で商業養殖が定着しました。1980年代初頭までに養殖はハワイ、米国本土、中南米の大部分に広がり、1989年にハワイへ送られた親エビからは特定病原体フリー(SPF)の系統が生まれました。これが、のちにアジア全域で使われる疾病検査済みの親エビの先駆けとなりました。
こうして家畜化された系統は、アジアのエビ養殖を一変させました。FAOの記録では1999年のアジアでのバナメイの生産はゼロでしたが、2004年までに中国、台湾、タイでこの種の生産はブラックタイガーを上回りました。飼育下で育種された疾病検査済みの親エビ、はるかに高い放養密度、タンパク質含有量の少ない飼料がいずれもバナメイに有利に働き、一方でブラックタイガーの種苗生産は依然として天然で捕獲した親エビに大きく頼っていました。現在の主要な養殖国には、エクアドル、インド、ベトナム、インドネシア、タイ、中国があります。
養殖方式は多岐にわたります。中南米の粗放的な潮汐池では1平方メートルあたり4~10尾の稚エビを放養し、4~5か月後に11~12gで収穫します。一方、アジアの集約的な池は、素掘りの池でもライナーを敷いた池でも、強い曝気のもとで1平方メートルあたり60~300尾を飼育し、年に2~3回の収穫を行います。池は袋網を通して排水するか引き網で収穫し、加工に回すエビは池のそばで氷水に入れてただちに締めます。黒変(ブラックスポット)や頭部の赤変を防ぐため、この水には亜硫酸塩系の添加物が加えられることもよくあります。
熱帯で養殖されるため、ほとんどの生産国ではバナメイエビは通年で収穫されます。それでも養殖サイクル、天候、疾病によって月ごとの量とサイズは変動し、FAOは、中南米の生産量が暖かいエルニーニョの年には増え、涼しいラニーニャの年には落ち込む傾向があったと指摘しています。
バナメイエビと、ほかのホワイト系のエビ、ブラックタイガーとの比較
| 種 | 学名 | 供給の出どころ | 見分け方 |
|---|---|---|---|
| バナメイエビ(ホワイトレッグシュリンプ) | Penaeus vannamei | 中南米とアジアの各地で養殖。東太平洋原産 | 淡い色で半透明、目立つ縞がない。養殖品のサイズは非常にそろっている |
| ノーザンホワイトシュリンプ | Penaeus setiferus | 天然。米国大西洋岸とメキシコ湾 | 似た淡い色。米国では天然の「ホワイトシュリンプ」として販売される |
| ブルーシュリンプ | Penaeus stylirostris | 東太平洋で、バナメイと同じ沿岸。天然のほか、小規模に養殖 | 同じ亜属の近縁種。確実な確認手段は学名 |
| バナナエビ | Penaeus merguiensis | インド・西太平洋 | バナメイと同様に淡い色のため、ラベルの名称で確認する |
| ブラックタイガー | Penaeus monodon | 主に南アジアと東南アジアで養殖 | 殻を横切る黒っぽい縞、はるかに大きなサイズ、より締まった歯ごたえ |
内陸での養殖には、それ特有の名称の落とし穴もあります。FAOは、淡水で育てた海産エビが誤って淡水エビと呼ばれることがあると指摘しています。内陸の池で育ったバナメイも海産のクルマエビ科のエビであることに変わりはなく、オニテナガエビ(Macrobrachium rosenbergii)は、長いハサミをもつ別の川エビの種で、当社のオニテナガエビの種のプロフィールで取り上げています。
ブラックタイガーと比べると、バナメイエビは小さく、味が穏やかで、サイズがよりそろっており、生産量ははるかに多くなっています。エビを丸ごと出して見栄えを求める場合にはブラックタイガーが選ばれます。この種については、当社のブラックタイガーの種のプロフィールで同じように詳しくご説明しています。
バナメイエビのサイズと市場形態
この種は中型を超えて育つことがまれなため、供給の大半は中・小の尾数規格に集中し、より大きな等級は育成期間を延ばして生産されます。冷凍エビ取引のほぼすべての形態が、この種から作られています。
- 有頭殻付き:丸ごとのエビで、グリル、揚げ物、頭から風味が出る煮込み料理に使われます。
- 無頭殻付きとEZピール:ボイル、グリル、食卓で殻をむく殻付き料理に使われます。
- 生のむき身:背ワタ付き、背ワタ除去、尾付きがあり、外食と小売の数量の大部分を占めます。
- ボイルむき身:カクテル、サラダ、サンドイッチ、盛り合わせ向けです。
- 伸ばし、開き、衣付け:天ぷら用の伸ばしエビと、殻をむいたバナメイから作るエビフライ・エビ天ぷらです。
尾数の表記、グレーズ、保水剤、IQFかブロックかの選択は、どの養殖エビにも共通する問題なので、当社の冷凍エビの規格ガイドでまとめてお答えしています。
厨房でのバナメイエビの使い方
バナメイエビの味は穏やかですっきりしており、ほのかな甘みがあって、歯ごたえはブラックタイガーよりやや柔らかめです。このくせのなさこそが強みで、ニンニク、唐辛子、カレーペースト、マリネ液の味を邪魔せずに受け止めます。池によってはロットにかすかな土臭さが感じられることがありますが、在庫を使い始める前に加熱したサンプルを試せば判別できます。
- 中国と東南アジア:ニンニクや唐辛子と炒めたり、トムヤムで煮込んだり、蝦餃(ハーガウ)などの点心で包んだりします。
- 日本:衣を付けて天ぷらに、パン粉を付けてエビフライにします。伸ばしエビを使うことが多くあります。
- 南アジア:マサラのグレービーやココナッツカレーで調理します。
- 中南米:加熱したエビで作るエクアドルのエビのセビーチェや、メキシコのコクテル・デ・カマロン(cócteles de camarón)があります。
- 欧州と北米:スペインのガーリックシュリンプ、イタリアのパスタ、そしてアメリカの「シュリンプスキャンピ」です。最後のものはガーリックバターで仕上げる料理で、その名前はラングスティーヌから借りています。
生のエビは、身が中心まで不透明になるまで、貴市場の食品安全規則が求める温度で加熱し、生の製品と加熱済みの製品は分けて扱ってください。特定の尾数とカットで継続的な企画をお考えでしたら、料理と数量をお知らせいただければ、それに合う規格でお見積もりします。
本ガイドは一般的な貿易情報であり、法律上・規制上の助言ではありません。要件は市場によって異なり、変更されることがあります。ご発注前に、通関業者または所管当局に最新の規則をご確認ください。





